ツイッターに投稿されたある発言が話題を呼んだ。
「出社する時の地下鉄で、『子どもがうるさいので降りてくれませんか。みんなこれから働くんですよ』と親子連れに意見したOLに遭遇。泣きそうな顔で子どもを連れて降りたお母さんに勝ち誇った顔をしたOLに嫌悪感。スーツ姿でパリッと決めたキャリア志向さんなんだなぁ。」(参考リンク参照)
ツイッター上では、この「OLさん」への反感・共感がそれぞれ寄せられたが、それは参考リンクを見ていただくことにして、この投稿が浮き彫りにした、日本社会の2つの問題点を考察してみたい。
【1】育児は社会的に有意義な労働ではないのか?
「みんなこれから働くんですよ」ということを、子連れの母親に降りてくれと要求する理由にするこのOLさんは「労働」を偉いと考えているらしい。
また、ただの自分のためだけの労働や人に迷惑をかけるお仕事なら別に偉くはないので、この電車に乗ってる人々の労働を、どうやら社会的に有意義な労働だと考えているらしい。
しかし、これからの社会を支える人材を育てる育児も、アンペイドワーク(賃金が支払われない労働)というだけで、社会的に有意義な労働であることに変わりはないのではないか? 言うまでもなく、このOLさんの老後の社会保障費を負担するのは、電車を降りさせられた子どもらの世代だ。
【2】子供が騒ぐのは、「特に」非難されるべき迷惑行為なのか?
うるさい子どもを迷惑に感じること自体は一般的な感性だ。が、子どもは発作的に騒ぐものであるし、そのことは親が完全に制御できる性質のものではない。香水のきつい香りを漂わせる、イヤホンの音漏れをさせる、携帯電話をかける、酔っ払って嘔吐するなどの車内迷惑行為と同列に責められるのは正当なのだろうか?
また、少子高齢化が問題になっているのに、育児施設などは不足していると言われる現在、ますます子どもを産みにくい社会を作ることにならないか?
実際の車内の状況はどうだったのか、どういう母親だったのか、OLさんが我慢ならないほど子どもはうるさかったのか、子どもはどういう子どもだったのか、などなど分からないことは多いが、ネットの反応は、まさに日本社会のおかれた現状、そしてこれからどうあるべきかを考える多くの材料を提供してくれた。
さて、あなたならどう考えるだろうか?
(ikoishy)
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(参考リンク)
OL「子供がうるさいので電車降りてくれませんか」に議論沸騰
Ikoishy
84年生まれ♂。文筆業が本業のつもりの自由業者。東京在住。中央線、西武線沿線によく出没します。
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